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先人への感謝を込めて
陶墨画との出会い
以前から、TVやネットで西元先生の作品を見かけていたのですが、 ご出身が私の地元に近いこともあり気になっていました。初めて作品を実際に拝見したのは、地元の美術館で開催された個展でした。龍の陶墨画を目の前に見て、その迫力に「あぁ…やっぱりすごい!」と圧倒されましたね。
実は「購入するとしたら、やはり龍かな?」などと何となく思っていたのですが、色々な作品を拝見していたら、ほとばしるような龍とは全然違う流れるような筆運びの金魚の作品に目が留まり…一目惚れで即決しました。
両親に捧げる「龍」と「朱雀」
我が家は祖父が事業を興して以来、代々会社を経営しております。祖父は50代前半に急逝し、4人の子ども───つまり私の父とその姉弟が会社を継ぎ、必死になって会社を大きくしました。そうした先人や、たくさんの仲間達の支えのお陰で今の私がいます。じつは日頃から、この感謝の気持ちを常に心に留め置きたいと思っていたのです。
そんな折、有り難いことに社屋を新しく建設することになり、ふと思い浮かんだのが西元先生の作品でした。先人への感謝を作品として形にし、新社屋のシンボルにできないだろうかと考えたのです。
個展でご縁をいただいたギャラリーのスタッフ様にご連絡を差し上げ、両親にちなんだモチーフとして「龍」と「朱鷺」を描いてもらえないでしょうか?とご相談させていただきました。事情をお話しすると快くご対応いただき、実現することになりました。
ですが、まさか私の作品の制作風景が、NHK WORLD JAPANを通して世界中(約160カ国)で放送されることになるとは思っていませんでした(笑)。これもまた有り難いご縁ですね。
コロナ禍にも負けない活力を
その後、新型コロナウィルスの蔓延で社屋の工期が遅れてしまったり、物流にも影響が出てしまったりと紆余曲折ありましたが、お陰さまで無事完成しました。西元先生も、本当にイレギュラーな状況の中で制作いただいたとお聞きしています。
完成した作品は本当に素晴らしく、近くで観ると胸に迫るような迫力があります。また、先人への感謝と、受け継がれてきた信念が込められたような詩も、特別なプレートで仕上げていただき感動でした。最初は会議室に設置しようと思っていたのですが、やはり沢山の方に見ていただけるようエントランスに設置することにしました。
おかげ様で、コロナ禍に負けない活力を、先人への感謝が込められたこの作品と一緒に生み出せていると感じています。有り難うございました。
制作の舞台裏 〜赤い釉薬を求めて〜
本作の制作にあたり、鍵となったのは
「朱鷺の鮮烈な赤」でした。
力強い龍とともに朱鷺を生きた存在にするため、
それまでの釉薬では満足のいく色を出せませんでした。
何度も試作を重ね、先人への感謝と
存在の強さを
兼ね備えた作品が
完成するまでを、
動画でご紹介しています。